機関誌
編集方針・編集体制
本誌の刊行目的は国内研究の醸成・活性化である。従って、論文審査の基本方針は、投稿論文の欠点を指摘して掲載不可とするのではなく、貢献可能性を見つけだし、それが十分に展開されるよう援助することである。ただし、その貢献可能性が極めて小さかったり、科学的論文としての要件を満たしていないものは掲載不可の判断もやむを得ない。会員の研究成果をできるだけ早く公表するために、迅速な審査を心がける。著者に対する最初の審査結果通知は、投稿後3ヶ月以内に行う。また、掲載決定された論文はできるだけ早く公刊する。
論文審査規程
- 1.投稿要件の確認
- 新規投稿にともない、編集事務局は、当該論文が投稿要件(著者が本学会の会員であること)を満たしているかどうか確認する。筆頭著者は本学会の会員でなければならない。連名者に関しては、必要に応じ会員以外の者を含めることができる。
- 2.二重投稿のチェック
- 論文の到着月日を受稿月日として筆頭著者に通知する。そのさい、内容が重複している論文等を既に公刊(公刊予定を含む)しているか確認し、該当するものがある場合には、現物もしくはコピーを2部、編集事務局に送るよう依頼する。二重投稿の疑いがあるものについては、編集委員長、副編集委員長(以下副委員長)、主査が決まっている場合には主査も加わり、協議を行う。二重投稿と判断されたものは、常任編集委員会の承認を経た上で、受稿を拒否したりあるいは審査を打ち切る。
- 3.再投稿
- 以前に掲載不可もしくは取り下げとなった論文が別論文として再投稿された場合には、前回の主査と編集委員長との協議により、別論文とみなせるかどうか判断を行う。別論文と判断された場合には、通常の受稿手続きに移行する。別論文とみなせないと判断された場合は、常任編集委員会の承認を経た上で、受稿を拒否したりあるいは審査を打ち切る。
- 4.主査の決定
- 投稿要件を満たすことが確認され次第、編集委員長は、副委員長と協議し、2週間以内に主査を決定する。主査は原則として本学会の理事とする。主査の決定にあたっては、著者との関係(過去にその学生の指導教官だったことはないか、同じ研究室の出身ではないか、など)に配慮する。著者に編集委員長または副委員長が含まれる場合、もしくは著者が編集委員長または副委員長の指導学生である場合、該当する一方は協議に参加せず、残る一方の責任で主査を決定する。
- 5.主査への依頼
- 主査が決定したら、編集事務局より投稿論文を送付するとともに、審査期限が投稿受付時から3ヶ月以内であることを明確に伝える。その折に上記の理念ならびに編集方針を伝え了解を図る。
- 6.副査の推薦
- 主査には著者を顕名で伝える。主査は2週間以内に2名の副査を推薦し、編集事務局に連絡する。そのさい、副査には原則として1ヶ月以内に審査を行うことについての了承を得ることとする。副査の審査は匿名とするが、推薦にあたっては著者との関係を考慮する。副査は理事に限定せず、必要があれば非会員でも可とする。
- 7.副査への依頼
- 編集事務局は、主査の推薦に基づき、著者や所属・謝辞等が記載された1ページ目を除いた原稿を副査に送付し1ヶ月以内に審査結果を主査に送付するよう依頼する。その折に上記の編集方針を伝え了解を図る。
- 8.コメントの作成
- 主査は2名の副査の評価にもとづいて、論文の掲載可否ならびに改稿の必要性を判断し「総合コメント」を作成する。総合コメントは副査の審査を重視しつつ行うことを原則とするが、見解が対立した場合の改稿方針の決定や掲載の可否判断は、あくまで主査の責任で行うものとする。作業が終了したら、主査は、総合コメント、2名の副査のコメント、論文評価用紙を編集事務局宛送付する。評価用紙には、掲載の可否もしくは改稿原稿を主査のみで審査するか副査も含めて審査するか明記する。
- 9.コメント作成の指針
- 主査・副査はコメントの作成にあたり以下の諸点に配慮する。
- 最初のコメントにおいて論文の問題点を可能な限りすべて指摘する。改稿により大幅な変更が予想される場合などは、「改稿原稿を見た上で、改めて審査する」ことをつけ加える。
- 著者は最初のコメントで指摘された問題点を解決すれば掲載可になると受け取る傾向があるので、再審査において、前回触れなかった新しい問題点を指摘する場合には、その理由(例えば、「改稿によって新たな問題が生じたから」など)を著者に説明する。
- コメントは、重要事項と参考事項を区別して記す。
- コメントの量は、できるだけA4用紙3枚以内にまとめるよう留意する。著者の改稿意欲を促すように、建設的コメントを心がける。
- コメントの作成にあたっては、丁寧な表現を用いることを心掛け、著者の人格を傷つけるようなことがないよう注意する。
- 10.審査の超過期限
- 編集事務局は、審査期限を超過した場合には、審査者に審査状況の問い合わせを行う。審査を依頼してから長期間経ってもコメントが返送されない場合、審査者に状況説明を求め、編集委員長は常任編集委員会の審議を経て、必要に応じ主査・副査の交替を行うことができる。また、主査もしくは副査に審査が続行できない事由が生じたさいには、編集委員長と副委員長の協議により、審査者の交替を含めすみやかに対応を図る。
- 11.審査結果の通知
- 編集事務局は、論文評価を示す連絡とともに、主査の総合コメントと2名の副査のコメントを筆頭著者に送付する。編集事務局は両副査に主査の総合コメントならびにもう一方の副査のコメントを送付する。
- 12.論文の改稿
- 著者は、総合コメントにしたがい論文の改稿を行う。改稿論文を送付するさいには、総合コメントにどのように対応したか明確になるような対照表を添付する。必要に応じて、両副査のコメントに対する対応も併記する。そのさい、審査者のコメントに対する反論や、指摘された点に関し改稿できない事由等があれば、対照表の中にきちんと明記する。
- 13.改稿の期限
- 改稿が指示された場合、期限は原則として2ヶ月とする。また、改稿期限を超過しても著者から連絡のない場合には問い合わせを行う。
- 14.審査の打ち切り
- 審査結果の通知を行ってから長期間改稿がなされない場合、著者に状況説明を求め、編集委員長は常任編集委員会の審議を経て、必要に応じ取り下げの勧告を行うことができる。
- 15.再審査
- 改稿論文が送付されてきたら、編集事務局は前回の主査・副査のコメントを添付したうえで、改稿論文を主査(副査を含めた再審査の場合には副査にも)に送付する。再審査の審査期限は、副査を含む再審査の場合は2ヶ月以内(副査の審査期限は1ヶ月以内)、主査のみの場合は1ヶ月以内とする。再審査の超過期限に関する措置は10項に準ずる。
- 16.審査経緯の報告
- 主査は論文の審査が終了した時点で、編集委員長に対し掲載可否に関する結果を提案するとともに、審査経緯について簡単な報告を行う。
- 17.掲載決定と受理
- 主査から掲載可の提案がなされた場合、編集委員長と副委員長との協議により、審査手続きや論文の形式上の問題についてチェックを行う。問題点が見受けられた場合、主査に連絡をとるとともに、編集事務局を通じ、必要に応じて著者あるいは審査者に連絡をとり、対応を依頼する。問題がなければ、編集委員長は、副委員長との協議結果、および主査による審査経緯の説明を常任編集委員会に提示し、審議を経て論文の受理決定を行う。結果はただちに筆頭著者に伝達する。
- 18.掲載不可決定
- 主査から掲載不可の提案がなされた場合、編集委員長は、第17項と同様の手続きを経たうえで、副委員長との協議結果、および主査による審査経緯の説明を常任編集委員会に提示し、審議を経て論文の掲載不可決定を行う。結果はただちに筆頭著者に伝達する。
- 19.異議申し立て
- 著者は、毎回の審査結果あるいは掲載可否の決定について異議のある場合、編集委員長に対し異議を申し立てることができる。異議申し立ての期間は、結果の受領後1ヶ月以内とし、原則として著者もしくは連名者が行うものとする。異議が申し立てられた場合、編集委員長は、副編集委員長および当該論文の主査と対応を協議する。必要に応じて副査に意見を求めることもある。協議結果は1ヶ月以内に著者に連絡する。著者から再度異議申し立てがなされた場合、編集委員長は常任編集委員会を開催し、経緯報告を行ったうえで対応を審議し、結論が得られ次第、筆頭著者に伝達する。
- 20.論文の取り下げ
- 著者は、事情に応じ論文の取り下げを行うことができる。その場合、事由を添付したうえで、編集事務局に連絡する。編集委員長は副委員長と協議のうえ、常任編集委員会に諮った上でこれを承認する。
「特集」
「特集」は随時組むこととし、ひとつの明確な方向性をもつ3〜4論文で構成する。著者は会員に限定しない。「特集」のテーマは、広く会員に公募し、常任編集委員会で検討する。ただし、「特集」によって、一般論文の掲載遅延が生じることは避ける。
編集体制
実験社会心理学研究を発行するために次の役員をおく。
1)編集委員長、2)副編集委員長、3)常任編集委員、4)編集委員、5)編集事務局。
編集委員長は常任理事の互選によって会長以外の者から選出する。副委員長についても常任理事会の審議により、常任理事の中から選任する。常任編集委員は常任理事が兼務する。編集委員は理事が兼務する。ただし、編集委員長が運営上必要と認めた場合は、理事以外から若干名を委嘱することができる(会則第33条)。
編集委員は実験社会心理学研究の発行に関する基本的事項を審議し、運営上の最終責任を負う。常任編集委員会は、実験社会心理学研究の質的な発展と向上に資するための活動を行うとともに、所定の手続きを経て審査された研究論文の掲載等につき、最終的な決定を行う(会則第34条:一部)。