お世話になっております、東京大学社会心理学研究室助教の鈴木と申します。
東京大学社会心理学研究室では、「新・社会心理学コロキウム」を開催しています。
一人の話者にQ&Aを含めて1時間半お話しいただき、参加者との活発な議論を楽しむ集まりです。
今回は対面のみで開催致します。事前予約等は不要ですので、どうぞ奮ってご参加ください。
◆日時: 9月4日(水)15:30 ~ 17:00
◆場所: 東京大学本郷キャンパス 法文2号館 1番大教室
(※対面のみの開催となっております。事前予約等は不要です。)
◆講師: 増田貴彦先生(アルバータ大学・教授)
◆演題: 文化による見方の違い
◆概要:
ヒトの行動の文化的多様性については、実験心理学の祖とされるウィルヘルム・ヴントの民族心理学の一連の論考以来、ロシア文化歴史学派、心理人類学、そして草創期の社会心理学など過去様々な領域で研究が行われてきた。こうした素地を基に、近年、文化心理学という、心理学・人類学・言語学・神経科学を統合させた新しい学際研究領域が生まれた。ジェローム・ブルーナーやリチャード・シュウェーダーなどの文化心理学草創期の理論家は、ヒトの心の仕組みは文化との相互構築過程を通して形成されるということを強く主張していたが(Bruner, 1990; Shweder, 1990)、その言説は、近年ジョセフ・ヘンリックらが行っている心理学批判とあいまって、様々な文化圏で集められたデータを比較検討することの重要性が唱えられることに至っている(Henrich, 2020; Henrich et al., 2010)。本講演では、文化心理学研究の一例として、過去20年「文化と注視」というテーマで行った研究を紹介し、文化とこころの関係を論じる上でのソリッドな基礎研究の役割を論じる。
◆当研究室HPのイベントページ
http://www.utokyo-socpsy.com/events.html
◆お問い合わせ先
東京大学大学院人文社会系研究科 社会心理学研究室
E-mail: spjk [at] L.u-tokyo.ac.jp